Web2.0とは

最近よく耳にすることが多くなった、Web2.0という用語ですが、これは2000年代中頃から言われ始めた、ウェブの新しい利用法を総称するマーケティング用語のことです。Web2.0はアメリカの有名なメディア企業であるオライリーメディア(旧・O'Reilly & Associates)の創立者で、フリーソフトウェアとオープンソース運動の支援者でもあるティム・オライリーらによって提唱された概念で、2004年11月には初めての「Web 2.0 Conference」とうイベントがサンフランシスコで開催されました。その後この用語は大きな広がりを見せて、最近では盛んに用いられるようになっているのです。しかし、ティム・オライリーによる定義を超えて新しいビジネスモデルであれば何でも、「Web 2.0」といっていることも多くなってきており、明確な合意や定義のない用語になってきている傾向があります。

 

 

それというのも『What is Web 2.0』におけるティム・オライリーの定義はあまり明確ではなく、オライリー自身もWeb 2.0の範囲を限定しないというスタンスをとっているためなのですが、オライリー自身は、あえてそうしたとブログで説明しています。ただ、オライリーは、同ブログで『Web 2.0のコンパクトな定義』として、「すべての関連するデバイスに広がる、プラットフォームとしてのネットワーク」であり、Web 2.0アプリケーションを「ネットワークが本質的に持つ長所を最大限に活用するもの」であるとしています。また、日本のITコンサルタントである梅田望夫は、著書『ウェブ進化論』で、Web 2.0の本質を「ネット上の不特定多数の人々や企業を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」と定義しています。

 

2001年のドットコムバブルの崩壊の後、ウェブの使い方は変化してきています。例えば、情報の送り手と受け手が固定され、送り手から受け手への一方的な流れであった従来の状態が、送り手と受け手が流動化して、誰でもがウェブを通して情報を発信できるように変化したということが挙げられます。この変化を表す用語として、変化後の状態を「Web 2.0」、それに対応する形で従来の状態を「Web 1.0」と呼びます。このWeb 2.0においては、情報そのものや、中核にある技術よりも、周辺の利用者へのサービスが重視されるとされます。そして、利用者が増えれば増えるほど、提供される情報の量が増えていき、サービスの質が高まる傾向にあるとされているのです。Web 2.0の代表的なサービスとして、ロボット型の検索エンジンや、ブログや、mixiに代表されるSNS、また、ウィキによる文書作成システムなどが挙げられます。しかし、前記のように、具体的な技術を明確に指し示す用語ではないため、マーケティング・ネットサービス業界で一人歩きして語られている傾向が強くなっていて、「バズワード」とくくられることも少なくありません。梅田望夫によると、Web 2.0という用語そのものは2005年頃から用いられてきたが、2002〜2003年にかけてのAmazon.comの検索API (Application Programming Interface) 公開が、その端緒であるとしています。

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今治タオル



最終更新日:2019/10/3